昨日・今日   

 

メダカは、ハッスルすると、ピッピッと鋭く泳ぐのであって、ユラユラ泳ぐ金魚とは明らかに違う。
両者の思考速度もこの泳ぎに連動しているのではないか。

メダカが、ピッの一呼吸で真っ直ぐ泳ぐ距離はおおよそ15cm。最長でも25cmを越えないように思う。
二呼吸目・三呼吸目と、呼吸が変わるつど方向を変えるから、よく見ていないと見失う。

泳ぐときは、前後左右を確かめつつで泳ぐ。あたりまえだ。

が、ここからがおもしろい。

メダカの目玉は人間で言うと、頭のてっぺんに付いている。

で、上を見るのにきわめて便利。水盤の上から覗き見するおっさんの顔の表情なんぞも見ているらしく思われる。

 

メダカは、ジット静止していることが意外と多い。水中ホバーリングが上手である。
水盤の上から覗き見しているのが、おっさんではなく、水鳥だったら、ヤバイのじゃないか。

「オイ!ヤバイのじゃないかい」と見ると、ピッと動いた。

 

常は、庭に据え置いた昔の大きな座敷火鉢に、水を張って放している。

時折、気が向けば、ここから幾匹かを別の鉢へ移し、釣ってみる。

数日間釣りの相手をさせたメダカらがいた。

彼等は、水中から、上を、すなわち水盤を覗き見するおっさんの動静を見ることにだんだんと長けてきたように思われる。

 

昨日、かみさんが覗き見すると、メダカらはビックリして皆水草の陰に逃げ込んだらしい。

かみさんから、「パッパ、メダカをいじめるのは止めてくれる!」と、キツイ抗議があった。

覗き見したのが、わたしではなく、かみさんだったので、メダカらはビックリしたのだろうと思う。

が、そのことを言っても、かみさんは信じない。

かみさんは「あの子らは、かわいそうだ」と言って、わたしをメダカの目で見るのである。

 

今日は朝から、

水盤のメダカらは、元の火鉢へ戻っておる。