メダカの力                        

 

ひょっとしたら、メダカには、台風を呼び寄せる力があるのではなかろうか。

「一葉散って天下の秋を知る」とある。

枯葉が一枚舞い落ちるから、天下に政変が生ずるのである。

枯葉一枚には、かくは秋を呼び込む力がある。

“春が来たから梅が咲く”のではない、“梅花一輪咲く力が春を曳っぱり来る”のだ。

いわく、

夏は、カエルが古池に飛び込み、水音を立てるから、夏なのである。

カエルが、実に、天下の夏を背負っている。

かく考えると、

メダカに、台風を呼び寄せる力があっても、なんら不思議はない。

 

先日、NHKで「メダカ釣り」収録のとき、台風15号が襲い来た。

昨夜、11:15〜、放映予定であったが、台風18号が襲来し、放映延期になった。

いわく、

メダカが、台風を呼び寄せた!

 

俺がメダカを釣るのか、メダカが俺に釣らせるのか、そんなこと、いくら考えたってわからん。

が、しかし、メダカ釣りを推奨する所以のものは、後者に発し、転じ進んで前者への移行を願うものだ。

 

当初は、

他より勧められてメダカを釣ってみる ⇒ メダカが俺に釣らせる

と、次第に、失いかけた若い力がよみがえり、

メダカらとの対話がはじまり遊び心が ⇒ 俺がメダカを釣る

と、なって、知らぬ間に、日々の生活全体に「力」が出て来はせんだろうか…。

なにせ、メダカには、台風呼び寄せるデッカイ「力」がありますからね。

 

水盤はなんでもよろしいのですが、だからといって、おうちゃくはいけません。

自宅で無理なく用意できる水盤で、最上のものを使うがよろしいのです。

観るに耐え得る水盤でありたい。横から観るガラス容器は避けた方がよろしい。

床の間に飾り置いた鉢に、この際、最上の仕事を与えましょう。そうです、水盤(鉢)に泳ぐメダカを見つめるほどに、想いが自然に大海に及ぶようなのが最高だ。

ジイチャンの枕辺・側辺に鉢を置き、10匹足らずのヒメダカを放ち、水草浮かすになんの苦労があるものか。

世の、若い衆に告ぐ!

メダカの力を信じ玉へ!