ご隠居  

 

11月24日のNHK「ぐるっと関西お昼前」で“メダカ釣り”やってたのは、だれだ?

いやビックリした。

わたしが写るはずだったが、出てきたのは、ご高年齢のジイチャンだった。

レレッ! ひょっとして、あれが、ワイか??

わたし、自分があんなに年老いていたとは、知らんかった。

 

ボソボソ話す声の、なんと汚れた、バッチイ声だったこと。

雑巾を裏返したような声。

わたし、カラオケ自慢だったけれど、もう人様の前で歌うのは止めた!

この声で気分出して歌ったら、聴いたお方が悪酔いし、下痢を起こす。

 

風采の上がらぬジイチャンだなぁ〜、

わたし、自分が、あんなに口をゆがめて、話していたとは気付かなかった。

脳溢血はまだやってないし、顔面神経痛があるわけじゃないし…、

なのに、口を“への字”にねじり曲げ、理屈のあるような無いようなことをボソボソ言っておった。

わたし、自分のこと、もう少しスカッツとしたオッサンかと思っておった。

 

ショック! ショック! 大ショック!

 

もう、テレビに映るのはイヤ!

腕のよい、メイクさんと、衣裳係りを、束にして付けてもらわないと、撮影はお断り。嫌だ、降参だ。

NHK「ものしり一夜づけ」に出たときは、メイクさんと、衣裳係りが、ピッタリ付き添ってくれた。

そのメイクさんというのが妙齢のベッピンさんで、愛くるしい女の子だった。

人形さんのお手々みたいなきゃしゃな手で、わたしの馬面を、好い匂いのする柔らかい化粧道具でパフパフ押さえたり撫ぜたりした。

なにせ20センチと離れない位置で、面と向かってパフンパフンやるのだから、わたし目のやり場が無い。胸がしっかりあるお嬢さん。目をしぶっておったが、気になるから、時々目を開けると、その妙齢のベッピンさんが真剣そのもので、わたしの馬面と戦っておるわけよ。感動しましたねぇ〜、撮影が夏だったから…、そう、薄着ですよ。難儀だったなぁ〜。

 

イヤ〜、ホント、

彼女は、わたしのこと、人間の男性だとは思ってなかったみたい。ひたすら壊れ崩れた彫刻の補修作業をやっとるといった感じ。メイクが終わった後も、作品を見るような目つきでわたしを見ておって、わたしが汗をかいたりすると、すっ飛んできて、またパフンパフンをやった。

彼女はわたしの表情を見ているわけじゃない。ただ単純に、顔面の表皮を見ておるだけ、と、そんな気がしたなぁ〜。

 

話が、だいぶ横へそれたけど、

要するに、NHKの、「ものしり一夜づけ」のときのテレビ画面に写った私(当ページ冒頭の写真がそれ)は若々しかった。自分でも、まぁこんなところだろうと…、いや、そんなことはない、オッ!若く写っておるやんかぁ〜、と、思っておった。

が、しかし、

今回は、同じNHKではあったけれど、おっそろしく年寄りに写っておる。

きっと、メイクしなかったせいでしょうね。

NHKがメイクさんを雇う経費をケチったわけだ。けしからん!

相手役の女性・森チエミちゃんは、もちろんメイクはバッチリですよ。

化粧ってものには、こんなにすごい力があったのですねぇ〜、

メイクの自分と、メイク無しの自分を、画面で見比べて、まっことビックリいたしました。

 

あぁ〜、

マリーナのA氏・B氏・C・D氏らが、わたしのことを“ご隠居”って呼ぶわけですよ。

冗談かと思っておった、

が、冗談なんかじゃなかった。

わたし、NHK観て、一気に歳取りました。